パパの魔法のスティック

5月で3歳になった息子が、反抗期の始まりかここ1ケ月くらいワガママが目立つ。気に入らないことがあると甲高い声で「キャー」と叫んだり、ご飯を食べなかったり、保育園へ行きたがらなかったり…。これまでイヤイヤ期などなかったのでどのように対応していけばいいのか悩ましい。基本的には私は怒らない。(と言うか怒れない。)怒るのはアフリカ人の夫の役目だ。夫にはお仕置き用の魔法のスティック「菜箸」がある。悪いことと良いことの分別が付くようになった1歳半ごろに、この魔法のスティックが誕生した。

ふざけて物を投げたり、片づけをせずテレビを付けたりすると「パパ怒る」(つたない日本語の決まり文句)と言い、鞭を打つように菜箸で息子の足をパチンっとぶつ。痛みを伴う体罰というよりは、可愛らしいお仕置きだ。高いところから転倒して頭を激しくぶつけても、めったに泣かない痛みに強い息子だが、このお仕置きだけは何よりも恐怖のようだ。

夫が菜箸をもって息子に近づいた瞬間に、息子の顔が恐怖で凍り付きまるでネズミのようにすばしっこく逃げる。夫の怒りがおさまらず「パチン」と一発でも入ると大きな目から大粒の涙をポロポロこぼして泣き始めたかと思うと、今までのおふざけをやめ言われた通りにする。息子の気持ちを一瞬で変えてしまうこの魔法のスティック。私が使用しても効果はゼロ、夫限定のスーパーアイテムだ。 「ほめて育てるなんて綺麗ごと。自分たちは老いていく一方だが、子供はどんどん大きくなりパワーアップしていく。体や考え方が、自分より大きくなっていく子供たちを責任もって育てていくには、怒ることも必要だ。」と、夫は息子を怒れない私へメッセージを送り続けている。

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