ここ最近、アフリカ人の夫のズル休みが目につく。
夫婦間では「明日有給をとる」というような連絡は基本的には取り合わないのだが、いつも早朝に家を出る夫が朝起きるとチャイを飲みながらテレビを見ているので「今日は休み?」ときくと「病欠にした。ストレスがひどく回復には2日かかると思う」と答えが返ってくる。
「具合悪いの?どんな症状?」と聞くと決まって「心が痛むんだ。」と何とも乙女チックな回答。日本でよく耳にするストレスサインは、睡眠障害や食欲不振、肩こりやめまいなど身体に症状が出始めているものをさすことが多いような気がするが、夫はそこまでに到達する前の段階でストレス解消を行っているようだ。勤務先のマネージャーと気が合わず、口喧嘩をした次の日は大体病欠を取っている。既に病欠の残数はないだろうから減給になっていると思うがそんなことはお構いないようだ。(居酒屋に飲みに行くことは避け、コンビニでビールを買って公園で飲むことが常であるスーパー節約家の夫なのにだ。)
夜、私が帰宅して「今日はゆっくりできた?何してたの?」と聞くと「1日中コメディー番組を見て笑いまくった」と嬉しそうに話す。「でも念のため明日も休もう!」と大体2日間療養に充てる。社会人生活24年になる私だが、人間関係で心が痛んだことは数えきれないくらいあるが、ストレスで会社を休んだことは1度もない。人間関係を上手に構築するためには自分の意見や考えを全面に出すことは控え、まずは相手に合わせることが最良だとサラリーマン生活で学んだことだ。
昔インドで働いたことがあったが、インド人も病欠を取ることが多かった。インド人の同僚に「病欠は今まで取ったことがない。会社の人に迷惑かけたくないから。」と話したことがあったが、「私にはそういう考えは全くない。自分が一番大切だから。」とスパッと言われたことがあった。
今日は七夕。息子の保育園で作る短冊を今年は旦那が記載した。
“Hope understanding who I am earlier” (いち早く自分を理解できますように)
この願いを理解できる人が日本にはどのくらいいるのだろうか。
自分が自分であるために最善を尽くす夫と、他人のために自己犠牲を払いがちな私。
どちらが良い悪いではないが、息子には自分自身を十分愛し、かつ他人も愛せるような柔軟性や忍耐力のある大人に育ってほしい。